ハヤシライス 精養軒 厳選洋食さくらい 香味屋

日本橋・精養軒日本橋店

本店上野店は、明治九年創業。ここでハヤシライスが生まれたという説もあり。日本橋店はビルの上階。ゆったりととられた客席で、落ち着いたしとやかな時間をすごすことができる。

「ハヤシライス」は、千七百八十円。ソースポットに淹れられて登場するソースは、やや赤みを帯びたこげ茶で、明るい輝きを放っている。食べれば、ドミグラスソースに、トマトピュレの酸味だけでなく、たっぷり使った赤ワインのうまみ、酸味、苦味、香りが感じられ、品と複雑さがあって、上等。甘味とのバランスもいい。バランスがとろりよりややゆるいソースはご飯とよくなじむ。肉はすね肉だろうか、コラーゲンに富んでやわらかく、煮込まれても肉に味がしっかり戻っている。他の具はしなりと火を通した、玉葱。薬味はラッキョウと福神漬け。

 

 

御徒町・厳選洋食さくらい

洋食の激戦区で、工夫を凝らした洋食の品々で人気の店。

「ハヤシライス」は、千七百円(ハーフは八百五十円)。ソースポットに入れられて登場するそれは、艶やかなこげ茶の色合いで食欲そそる。一口食べて感じるのは甘さ。しかしその甘さは玉葱から来ているのだろう、やさしくしつこくなく舌を包み、ご飯と合う、カラメル香はほとんどなく、ほのかな酸味とともにまろやかに口に滑り込む。ごろりと入った肉片は、煮込まれてしっとりとし、噛めば、本来の味がする。ご飯も美味しい。他の具は四分の一大にカットされたマッシュルーム。香り高い、よくできたカレーと両方味わえる、ミニサラダつきの「半分カレーと半分ハヤシのセット」千八百円もおすすめ。薬味はらっきょうと福神漬け。

 

 

根岸・香味屋

古くからの丁寧な仕事が光る、上質な洋食がいただける老舗。どの品を食べても格を感じるが、「ハヤシライス」   円もソースの素晴らしさを堪能できる逸品。

ソースポットに入れられたこげ茶のソースは、艶が深く、ぴかりと光り、粒が際立った素晴らしく美味しいご飯にかければ、ソースとご飯の艶が合わさり、その美しさにうっとりとなる。

食べれば、まず甘みが広がりうまみが来て、ほのかな酸味と苦味を感じ、ワイン香も含んだ、深みのある香りが立ち上る。昔ながらにやや甘めながら、味に切れが合って、ご飯となじみ、スプーン持つ手を加速させる。

肉はヒレ肉だろうか。たっぷりと十切れ以上は行った肉は、柔らかく優しい肉の味が広がる。他の具は、とろりとなった玉葱にマッシュルーム